大川歯科医院院長の大川です。

今日は日曜日、朝6時に起きて、いざ大阪へ!新幹線N700系 ”のぞみ” に乗れば2時間半で新大阪に、そして夜9時過ぎには自宅に戻ってこられます。本当に早く、便利になったものです。

今日は大阪の医師の主催する勉強会、在宅ケアに関わる医師、看護師等医療職、介護に関わる多職種、約60名の人たちが日曜日にもかかわらず集まってくださいました。歯科医である私がお話させていただいたのは口腔ケア・口腔リハビリについて、演題は 「口から食べるから元気になる」 90分びっちりお話させていただきました。

私は約20年前から在宅訪問歯科治療、いわゆる往診治療を行ってきました。在宅ではほとんどの方が寝たきり、脳梗塞、心臓疾患等の後遺障害をかかえながら生活しています。こういった方々は普通のことが普通にできないのです。我々は美味しそうな物を見ると、唾液がジュンをでてきて、それを口にいれると自然に噛んで細かくして、唾液とともに柔らかくなったらゴックンと飲み込みます。このゴックン(嚥下)は我々のような健康な人には当たり前のことですが、障害を持った方には難しいことなのです。食べ物がうまく食道にながれてくれず、誤って肺に入ってしまう、肺炎の原因になってしまいます。これがいわゆる誤嚥性肺炎です。
高齢者の肺炎の原因の90%以上がこの誤嚥によるものといわれています。在宅、施設関係者はこの誤嚥性肺炎をなんとか防ぎたい、そんな願いから口腔ケアを勉強したいと集まってくれたのです。
在宅ではあたりまえのように80代、90代の方が増えています。そんな高齢者の楽しみは何でしょう。美味しいものを食べたい、それも口から食べたい、そして介護をしているご家族も口から食べさせたいと考えています。口から食べたいと思うことは、すなわち生きる意欲の表れです。生きることを支える、生活を支える医療がここにあるわけです。歯科医として障害にあわせた入れ歯を作り、それをうまく使いこなすための口唇、頬、舌をリハビリしていく、そのために毎日介護している家族、介護者に口腔リハビリを指導していきます。われわれケアスタッフ、家族があきらめなければ、人間にはいろんな能力が残っているはずです。それを信じて口腔ケア、口腔リハビリをしていきましょう。
というお話をしてきました。
 1人でも多くの高齢者が元気に、そして笑顔の老人になっていただくためにいろいろなところで広めていきたいです。
来週の日曜日は地元東大和市の3施設の合同研修会約100人の介護職員にたいして講演と実技指導をする予定です。

大川歯科医院