当院では1991年より訪問診療を行ってきています。東大和で長く診療を続けるうちに高齢になり通院が難しくなってきた患者様に院長が「歩けなくなったら僕が行きますので心配しなくていいですよ」と伝え、そこから自然にスタートしました。院長の父が破傷風で重篤になった歳に院長が口腔ケアを行い、食べる意欲を取り戻してから回復していった姿を間近に見たことも、訪問診療や口腔ケアの重要性を強く意識させた出来事です。
最近も余命1週間という方の口腔ケアを行ったのですが、最後に食べたいとご希望された松阪牛ステーキを楽しまれ、ご家族と十分に会話して90日以上というかけがえのない時間を持ち、穏やかな旅立ちを見送ることができました。もちろん、口腔ケアだけで余命が伸びたり回復したりするわけではありませんが、その一助になれたことはとても光栄なことです。
当院の訪問診療では、単に歯科治療や入れ歯の調整だけでなく、口腔ケアや口腔リハビリも丁寧に行っています。訪問診療では、介護する方の負担を軽くすることで、介護される患者様も質の高いケアを受けられるようになります。当院では患者様だけでなく、介護する方の負担を軽減することも大切に考えています。